Friday, March 1, 2013

バスク・シャツ

まだまだコートは手放せませんが、
ここ数日ようやく春の兆しを感じる気候になって来たように思います。
そろそろ、バスクシャツの出番も増えそうです。
まだ一枚では早いこの時期には、シャツやポロシャツの上に
アウターとして重ね着がおすすめです。
私はこのバスク・シャツのボートネックから覗くシャツの衿がたまらなく好きです。

独特の衿の形とロールがとても大人な雰囲気です。
衿を出しただけでも大分印象が変わってきます。
同色の衿がラガーシャツのようにも見え爽やかです。

ラフでカジュアルな感じです。
更にアクセントにバンダナを。
時々、お客様から巻き方を聞かれる事がありますのでご参考までに。
角と角を突き合わせてたたみます。
半分に、また半分にと畳んでいきます。
真ん中で折って、
首に巻いて結んだら完成です。
衿元が引き締まってドレッシーさが増します。

シャツのアウターだけでなく、勿論インナーとしても。
 ハーフジップ・スウェットパーカの胸元のVゾーンから覗くボーダーがきれいに映えます。
重ね着や小物使いで、インナーとしてやアウターとしても、
色々なコーディネイトが楽しめる、これからの季節に重宝なアイテムです。

詳細はこちらをご覧下さい。
試着画像はこちらをご覧下さい。

Monday, February 25, 2013

王道のデザインで。

”絵本アイビーボーイ図鑑”でも、クラシックなワードローブとして
ノーフォーク・ジャケットが紹介されております。
ノーフォーク・ジャケットと聞いて思い浮かべるような王道的なデザインです。
左右の両肩からポケットや裾までのボックス・プリーツ、釦止めのウエストベルト、
腰には大き目のパッチ・ポケットが付きます。
勿論、後ろの肩からもボックス・プリーツが入ります。
この独特のデザインが20代の時にはオッサンくさいと思って敬遠していたアイテムですが、
なぜか今はとても気になる作ってみたいアイテムの一つになっています。

年代は不明ですが、イラストとそっくりな古い写真がありました。
ステッキにバックパックにチロリアンハットが
どこかヨーロッパの登山者か羊飼いかと思われるとても素敵な写真です。
いかついイメージのノーフォークジャケットですが、
この写真のようなカッチリし過ぎないラフで自然な着こなしが私は格好良いと思います。

実用書の方には数種類のバリエーションが掲載されておりますが、
それらを参考に形の良い物を作りたいと考えております。

Saturday, February 23, 2013

衿元には。

先日紹介のノーフォーク・ジャケットなどの古い資料を見ると、
衿元の装飾にはアスコット・タイをしている写真が多く見られます。
かっちりし過ぎず、スポーティでエレガントな印象です。
アスコット・タイは英国のアスコット競馬場の名前にちなんで付けられた名前です。
ここに集う紳士達に新しいネック・ウェアとして取りいれられ、好んでフロックコートの衿元に飾った事からアスコットタイという名称が使われるようになったそうです。
当時、競馬場は紳士・淑女が集う社交場であり、レースの観戦は礼装するのが習わしでした。
立ち衿シャツにアスコット・タイが礼装です。
元々は細長いスカーフの様な物を複雑で面倒な結び方をしますが、
略式の結び方から生まれたアスコットスカーフやパフタイと呼ばれるカジュアルな物もあり、
1950~60年代にはシャツやスポーツジャケット、コートの下に結ぶのが流行します。
結び方もバリエーション豊富で、簡単です。
通常のネクタイもビシッと決まって良いですが、
アスコット・タイのようなふんわりとしたエレガントな感じもお洒落です。
コーディネイトの巾が広がるワードローブに取り入れたいアイテムです。

Tuesday, February 19, 2013

ノーフォーク・ジャケット

ノーフォーク・ジャケットは、スコットランド・ノーフォーク地方に由来、
又はノーフォーク公爵が狩猟用に着た上着のデザインが発祥とされるジャケットで、
1860年代位に登場し1880年代には一般的に着用されるようになったと言われております。

ノーフォーク・ジャケットと聞くと下の写真のデザインを思い浮かべます。
最初のモデルとなったジャケットがどんなデザインであったのかが不明ですので、
初めからこの形なのか、改良されてこの形になったのかは分かりませんが、
この独特なデザインがたまりません。
元々はハンティング用ですが、時代とともにゴルフやサイクリングなどの様々なスポーツにも使用された万能なスポーツ・ジャケットとなったようです。
デザインのバリエーションもとても豊かです。
先日ご紹介した英国の実用書にも、王道的なノーフォーク・ジャケットのデザインを始め
数種類のデザインの作図が掲載されています。
今、気になる、作ってみたいジャケットの一つです。

Friday, February 15, 2013

半分まで。

トラウザーズの縫製に入る前に、アイロンでセンター・プレスを致します。
生地の状態で先にプレスする事により、製品完成時に簡単で正確なセンター・プレスが入れられます。

プレスが終わりましたら、まずは後ろヒップのダーツの縫製です。
ダーツにはシンチ・バックが、更にシンチ・バックにはベルト・ループが挟み込まれます。

次にポケットをそれぞれ作っていきます。
後の揉み玉縁ポケットや、
同じく揉み玉縁のウォッチ・ポケット、脇ポケットの作製です。
ポケットが一番手間と時間が掛かります。

オリジナル同様、ウォッチ・ポケットには縞スレーキを使用致します。

スレーキと芯地でウエスト裏のマーベルトを作成致します。
出来あがったマーベルトを付けて、右側はほぼ完成となります。
シンプルなデザインですので、やはりシンチ・バックが良いポイントです。

同様に左半分を作り、左右を合体させれば完成です。
なかなか良い感じに出来上がりそうですので、とても楽しみです!

Tuesday, February 12, 2013

裁断完了です。

トラウザーズの裁断が完了致しました。
デザインやシルエットは勿論ですが、
更に当時の雰囲気を出す為に、使用する生地の種類を増やしました。
内側の股部分にはシックを付けますが、オリジナルと同様に縞スレーキを使用致します。
(シックは、汗や股ズレによる内股の摩耗を防止する補強布の事です。)
 股のこの菱形の部分です。
当時のトラウザーズには時々見られますが、部分使いの縞スレーキがお洒落です。
右腰のウォッチ・ポケットの袋布にも縞スレーキが使われております。
ポケットの袋を濃いめのベージュにしましたので、今回はそれに合わせて暗めの縞スレーキに致しました。
黒×茶の渋めのストライプです。
このような感じになります。
内側の仕様ですので外からは全く見えないですし、シルエットに影響するわけでもありませんが、
こういうちょっとしたディテールに古臭さを感じ、惹かれてしまいます。