ジャケットの型紙が完成しました!
裏は見返しに背裏、袖裏が付く仕様です。
ここで重要なのが、裏地や衿・ラペル等の型紙の展開です。
ただ単純に表と同じ形の型紙が付くわけではありません。
衿やラペルは折り返しますので、使用する生地の厚みによって表と裏で
外周り内周りの寸法の差が生じます。
外周り内周りの寸法の差が生じます。
それらの分量を考慮に入れて型紙を切り開いたり、足したりして展開していきます。
分量を間違えてしまうと、下の写真(衿裏)のように表が足りなくて裏に余りが出てしまったり、
綺麗に折り返らなかったりもします。
最悪、裏衿が表に吹き出してしまいますので、正確に展開しなければなりません。
次に裏地の型紙の展開です。
裏地は通常、サイズに影響したり表にアタリが出にくいように、
又、着易く動き易くする為、表地よりも薄くて滑りの良い生地を使用します。
その分表地よりも強度が低いので、負荷が掛かると下の写真の様に縫い目が
滑脱(かつだつ)して生地を駄目にしてしまいます。
滑脱(かつだつ)して生地を駄目にしてしまいます。
その為、適正なゆとり(運動量)を入れた型紙が必要です。
腕を動かしても突っ張ったりしないように背中心には多めのゆとりが入ります。
袖裏です。
袖底の縫い代を包む様に裏地が付きますので、その分量を入れて展開した物が下の型紙です。
生地の厚さや縫い代の巾、ステッチの有無などによって分量はそれぞれ変わってきます。
袖口にも”キセ”と言われるゆとりが入ります。
ざっくりではありますが、このような感じで裏地は展開されて行きます。
本来はこの様に仕上がるはずのジャケットが、
きちんとした裏地の展開がされてなく、例えばタテのゆとりが少ない場合、
こんな風になってしまいます。
裏地が足りなくて、表が吊れています。
見た目も悪いですが、着ても違和感がありとても気持ち悪い着心地です。
生地自体にストレスが掛からないように、
且つ表にも影響が出ないように展開する事で着易く動き易いものに仕上がります。
且つ表にも影響が出ないように展開する事で着易く動き易いものに仕上がります。
シルエットやディテールのようなデザイン的な部分ではありませんが、とても重要なことです。
型紙を作っている間に、生地や釦が揃いましたので
次はいよいよ裁断・縫製に入ります。
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