Friday, August 31, 2012

ジャケットの仮縫いが完成です。


身頃の仮縫いは出来ましたので、次に衿と袖付けです。
身頃の作図を基に袖の作図に入ります。

教科書通りに作図すると袖が少し太い気がしますが、、、。
修正は後でも出来るのでこのまま型紙を起こして裁断・縫製していきます。

出来ている身頃に衿と袖を付けたら、仮縫い完成です!

パッと見、全体のバランスは良い感じです。
前から見たストレートぎみなシルエットと、
脇から後にかけて絞られたウエストラインが綺麗です。

5ポケットパンツB.Dポロで試着してみます。

見た目の修正は勿論ですが、変な皺が出ていないか、着易さ・動き易さはどうかなど補正箇所を確認していきます。


気になるのはやはり袖です。
袖は運動量確保のためにある程度の太さは必要ですが、
袖巾も袖口もちょっと太すぎました。袖丈ももう少し欲しいです。

他にも、前見頃の分量、肩傾斜、衿やラペルの返り、釦やポケット位置などなど、細かい修正箇所はたくさんあります。

衿、ラペル、胸ポケットのバランスはとても良い感じです。

ここから補正箇所を修正してパターンを仕上げ、サンプル作成に入ります。

使う生地はまだ未定ですが、完成したらまたアップ致します。

Friday, August 24, 2012

スイング・トップ

元々はゴルフや釣りなどのアウトドア・スポーツやスポーツ観戦等、
防雨・防寒のために作られたスポーツ・ジャケットの一つです。

当時から多くのメーカーが作っていますが、
マクレガーの"ドリズラー"や"ナイロン・アンチフリーズ"、バラクータの"G9"が有名ですね。

中でも、赤いアンチフリーズにリーライダースを履いたジェームス・ディーンはとても印象的です。

もちろんスポーツを愛するアイビー・リーガーにも好まれていたようです。
写真集"TAKE IVY"でも多くの学生が着ています。
その中で私の一番好きな写真がコレです。後ろ姿ですが、。
スイング・トップにコッパンを履き、足元はローファー。
格好良いです!

スイング・トップと言っても明確な形があるわけではなく、
スタンド・カラーやラグラン・スリーブ、衿・袖口・裾がリブの物と多種多様ですが、
自分が着たいと思うのは、やはりオリジナルのこの形です。

ここ数年、スイング・トップをはじめ、Gジャン、スタジャンなどショート丈のジャケットを
着ている人を見ることが少なくなりました。
その所為か、定番のアイテムですが何だかとても新鮮な感じがします。

只今、企画進行中です。

Saturday, August 18, 2012

3つ釦のジャケット


私は古着が好きなので当時の3つ釦のジャケットをずっと探しているのですが、
なかなか自分好みのデザインやサイズの物が有りません。

たまに良い感じの物を見つけてもサイズが合わず、
サイズが合わなければいくらデザインが良くとも格好良くは着れません。

ドレスダウンやカジュアルで普段着に着たいジャケットですので、
オーダー・メイドでは高価すぎます。

こんな時、まだまだ未熟ではあるものの自分で洋服を作れるのが強みです。

まずは自分のサイズに合わせて基本の製図をし、型紙にしていきます。
ボタンやポケット位置、ラペルの幅・高さ、前端~裾のラインなど当時の資料に基づいてデザインのバランスを決めます。
型紙が出来たら生地の裁断です。
仮組用のシーチング生地を使用します。
 身頃だけですが、完成です。
デザインよりもまずは"形"が重要ですのでポケットなど何も付けずに試着します。 
 前の身頃は良い感じですが、
背中のツキじわやヒップ周りの寸法、アーム・ホールの大きさなど修正が必要です。
身頃の修正に基づき袖の製図をし、これに衿と袖を付けて最終的な補正をします。

続きはまた後日アップ致します。


Saturday, August 11, 2012

スパニッシュ・カラー・コートのディテールです。

これを見て、おっ!と思われる方もいるかと思います。
写真集"TAKE IVY"と同様、アイビーのバイブル的な存在である "絵本アイビーボーイ図鑑" に紹介されているコートと同型になります。
今回、このコートが着たいと思い企画致しました。

特有のケープのような胸の切り替え、大ぶりなリブ衿、リブのポケット口、
レザータブのボタンダウン、本革バスケット・ボタン、裾のスリット、などなど。
一見シンプルですがデティール満載のとても凝ったコートです。

1stサンプルをブラックで作るかブラウンで作るか迷ったのですが、
今回は黒のコーデュロイで進行致します。
当時(60年代)の資料を見るとカラー・バリエーションの一つとして黒も実在するのですが、
現在では滅多にお目にかかれないレアな色です。
衿とポケットに使うリブも決まりました。5ゲージの横編みです。
いわゆるローゲージのニットで編み目が太く厚みがあり、とてもしなやかな素材です。

表に合わせて、身頃裏のシープ・ボアや袖裏は黒にしました。

裾裏は黒をベースに赤とグレーのラインが入ったチェックのウール地を使用します。
3色使いのチェックですが、とてもシンプルに見える綺麗な柄です。
着た時は隠れて見えませんが、こういう所にグッときます。

裏地の組み合わせはこのような感じになります。
当時の資料を裏返してみました。
これに上の裏地画像を当てはめてご想像下さい。

衿もとには"Sterling Outdoor Clothing"の赤文字の織りネームが付きます。

 
お盆は工場もお休みなのでサンプルは9月になりそうですが、
出来上がり次第またアップ致します。

Friday, August 3, 2012

スパニッシュ・カラー・コート、進行中です。

以前にご紹介のスパニッシュ・カラー・コートですが、
形やディテールが決定し、1stサンプルのパターン(型紙)が完成しました。

こうして並べてみると裏地付きのコートですので、その分パターンの枚数も多くなります。
同じパターンで2枚・4枚と裁断する物も有りますので、生地のパーツは合わせて40パーツ以上!
企画中のハンティング・コートと同じ位大量です。
使用する生地やボタンなどもほぼほぼ決まって来たのでご紹介します。
表に使用するのはやや太畝のコーデュロイです。
コーデュロイには毛並みが有り、通常の洋服は毛並みの方向を上(逆毛)にして使用しますが、
このコートは敢えて毛並みを下(並毛)にして使用します。
毛並みが下に向かうことで、少しの雨であれば当たっても流れ落ち易く、軽い撥水効果が期待出来ます。

裏は3種類の生地を使用します。
まず、ボディ部分の裏にシープ・ボア。
本革のムートンでは有りませんが、とても軽くて保温性に優れています。
裏地として使うには贅沢な素材です。

裾はウール素材で切り替えが入ります。
タータン・チェックの生地の物を多く見かけますが、今回はへリンボーン柄にしました。
この部分が変わるだけでグッと大人っぽく、渋く決まります。

袖裏は袖の滑りと保温性を考え、裏地と中綿のキルティング素材です。
柄は一番ベーシックなダイヤモンド・キルト。

ポイントの一つでもあるバスケット・ボタンは本革の物を選びました。
合成樹脂の物も多数有りますが、質感や雰囲気はやはり本革には勝てません。


一番のデザインポイントである衿リブは一から編み立てなければならないのでこれからですが、
リブが出来次第サンプル作製予定です。

サンプルが出来る上がるのが楽しみです!
また進展がありましたらブログでアップ致します。