Friday, September 28, 2012

ジャケットの素材

ジャケットのサンプル用の素材が決まったのでご紹介致します。

ブレザーと言えば、フランネルですね。
フランネル(flannel)は、タテヨコ糸ともに紡毛糸を用いて平織りまたは綾織りにした
布面にけばのある織り物で、英国のウェールズ地方がはじまりとされているようです。
フランネルと言う名称もウェールズ語のウールを意味する"グラネン"(gwlanen)から来ているそうですが、正確には不明です。

ウール・フランネルはスーツやシャツに、コットン・フランネルはシャツやパジャマ、肌着などと秋冬用の衣類に幅広く用いられます。

今回のサンプルは中肉厚のウール・フランネルで、色は濃い目のキャメル。
落ち着いたとても良い色合いです。
 寒い地方起源の織り物ですので、保温性に優れ、且つ軽く柔軟で弾力性のある素材です。


背裏や袖裏に使う裏地はドビー織りの生地(ドビー・ツイル)です。
ドビー織りとは、規則正しい連続模様を織り出すことが出来るドビー製織機で作られた、
布地に立体感のある織り物です。
綾柄であればドビー・ツイル、縞柄であればドビー・ストライプと呼ばれます。
ピケや蜂巣(ハチス)、愛知県尾州の梨地織りなどもドビー織りの一種になります。

選んだ色は、赤みがあるくすんだオレンジ色。(実際は画像よりもう少しオレンジ色に近いです)
表のキャメルとの絶妙な配色が古くさい当時の雰囲気です。


ボタンは天然素材の風合いがあるユリア・ボタン(尿素樹脂ベースの釦)にしました。
ブレザーらしく金ボタンも捨てがたいのですが、。

釦だけで全体の印象が大きく変わってしまいますので、
裏地と合わせて赤みがある濃いめの釦(写真左)にするか、
表地となじむように同色系の釦(写真右)にするか悩みどころです。

表生地、釦、裏地を並べてみます。
どちらも良い感じでありますが、全体のまとまりは生地と同色の方がなんだかしっくりきます。
サンプルは右側の組み合わせで決まりです。

生地や付属が到着するまでパターンも完成させて、後は縫製の残すのみ。
着々と自分が欲しいと思えるジャケットが出来つつあります。

縫製は楽しくもあり、大変でもありますが納得のいく物に仕上げたいと思います。

Saturday, September 22, 2012

スパニッシュ・カラー・コート、サンプル完成!

待ちに待ったスパニッシュ・カラー・コートのサンプルが完成しました!!
とても格好良いです。
 

サイズ38で少し大きめですが、特殊なショルダー・ラインが肩に馴染んでくれるので
小柄な自分でも良い感じに着れてしまいます。
そして、想像していたよりも数段上の暖かさ!
冬が待ち遠しくなる一枚です。
 
WARP AND WOOFのブログにディテールの詳細や試着画像をアップ致しましたので
こちらからどうぞご覧下さい。

Tuesday, September 18, 2012

ジャケットの袖

仮縫いしたジャケットの袖を修正して付け変えました。
 
細身の身頃とのバランスを考えて袖も少し細く、丈も増やしました。
 
左が修正した袖、右が前回の袖です。
 
見た目だけのただ細くて窮屈な袖ではなく、
細いながら動き易さも重視したスポーティな袖です。

 
袖のいせ込みの入れる位置や配分も変えて、より動き易い袖になる様に調整します。
( "いせ込み"とは、平面である布地を立体的にするために、
タックやギャザーにならないように寸法を短く調節する技法の一つです。)
前回の袖山(右)と比べると分りますが、ヨーロピアン寄りのショルダー・ラインから
Ⅰ型ジャケットの特徴でもある肩から自然に流れる丸みがあるショルダー・ラインになります。
 
真下ぎみに落ちる袖(写真右)から、前への腕の振りも強くしました(写真左)。
大抵の人は、腕を下ろしたとき真横よりも前側に腕が来ますので、
より体の形に沿った袖と言えます。
これにより、前方への腕の動き易さも格段に良くなります。
 
ついでに位置確認のため、胸箱ポケットと腰パッチ・ポケットも付けてみました。
大ぶりの腰ポケットにシャープな胸ポケットが良く合います。
全体のバランスもイイ感じです!
 
時間が掛かりましたが、これでパターンはオーケー。
これから本番用のパターンを作り、サンプル作製に入りますが、
生地やボタンを選んだりするのも楽しみの一つです。

Friday, September 14, 2012

バッチリです!

前回ご紹介したミトンの試作が完成しました!
 
実際、真冬の着用を考えるとウール一枚では心もとないのでライナーを追加しました。
ライナーはコットン・フリース(スウェット生地)の裏面を使用。
 起毛しているので、ふんわりと肌触り良くとても暖かいです。

手の入れ口は仮縫い同様にウールリブですが、ダブルステッチを追加しました。
古臭くてイイ感じです。
 
 早速試着してみます。
サイズも丁度良く、リブや裏地のフィット感も最高です。
 

腕の試着だけでは分りづらいので、雰囲気だけでも。
服に合わせるとこんな感じです。
 
こんな格好で自転車でぶらぶら散策なんかしたいですね。
 
勿論、ダッフル・コートにも相性◎です。

チェックもコーディネイトのポイントになって良いですが、
無地で大人っぽい物も欲しいので、そちらも作製予定です。

 
古い年代から現在まであまり形を変えずに存在し続けているミトン。
どんな年代の洋服にも馴染むので、
自分の洋服のスタイルが変わってもずっと愛用出来るアイテムです。
 

Friday, September 7, 2012

ミトン

いつの間にか夏が過ぎて、秋の気配が見え始めてきました。
日に日に過ごし易い気候になってきていますが、
あっという間にまた寒い冬もやってきます。
 
そんな冬に向けて、ミトンです。
 
ミトンとは、
親指と他の4本指との2つに分かれた手袋で、防寒用やスポーツ用として古くから存在します。
素材もレザー、ウール、ニット、レザー×ニット、ウール×ニット、レザー×ウールなど様々です。
 
そんな中、今回はウールで仮に作ってみました。
ブラウンベースのチェックのウールを使用し、手首はブラウンのウールリブ(G-1リペア用)です。
 
まずは古着の資料をもとに型紙を作ります。
リブも含めれば3枚の型紙です。
洋服や5本指のグローブに比べたら大分少なめですね。
 
裁断します。仮なので取り敢えず片方だけ。
 
裁断後、まずは親指のパーツから縫製に入ります。
 
親指を付けたら、周囲をぐるりと縫製してひっくり返せば、
 
もう ミトンの形です。
 
本体にリブを付けます。
 
伸ばしながら縫って行きます。
リブのテンションを考えて少し小さめの口にしていますので、結構伸ばします。
 
ひっくり返してアイロンで形を整えれば、
 
完成です!!!
 
試着してみます。
 
仮縫いなので1枚仕立てですが、実際はライナーにフリースが入る予定です。
ウールとフリースで二重になり、袖口リブで風も入り込まないので、とても暖かです。
 
 
寒~い冬に向けて、企画進行中です。